アウトレイジ/Outrage (2010) Dir. 北野武 Takeshi Kitano
夏に日本に帰ったとき映画館で見たかったのに、すでに上映は終了、DVDの発売もまだで見られずにいた。ようやくこちらの日系DVD店で入手。透けサングラスフェチな私は、加瀬亮が楽しみでならなかった。
邦画の大作でありがちなのは、戦争ものか海外ロケもので、予算を使った割には、技術が結局テレビドラマっぽく貧乏臭いことが多い。それに比べてこの映画の贅沢なこと。こんな豪華な役者陣に、くそガキの喧嘩みたいな、意味のない台詞ばかり言わせてしまうとは痛快だ。「馬鹿ヤロ!」「殺すぞ!」と、いきがったかと思うと「オヤジにしかられちまったよ〜」と口をとがらしてすねる。あげくに待ち合わせは「体育館の裏な」って。映画製作は、すごくお金のかかるもんだけど、こういう遊び心ある役者の使い方って、関西人の私の目からみると、すごく東京っぽい「粋」な映画にみえる。わかるかな、この感覚。
小日向文世、三浦友和、石橋蓮司は、もちろんよかったが、そういえば椎名桔平いい役者だったことも思い出した。実は、サングラスの加瀬亮には、そこまでひっかからなかった。この人は、もっとニヤニヤした表情をすればもっと気味の悪いいい味が出るように思う。まあ、ニヤけ演技は、私の好みってだけだが。
すごく期待した割に、あっさり見終えてしまった。なんだろ?この物足りなさは。役者は、いいには違いないが「たけし映画演技」のイメトレがされすぎてしまっているようにも見え予定調和感があった。暴力だけあって、せめぎあい、ぶつかりあうキリキリする感情がないのは、やはり醍醐味に欠ける。
たけし節をぶっこわした先には何かあるはずだ、という期待は観客は持っているのだろうか?それともそんなのは、とっくに諦めているのか。私としては、西田敏行とか藤山直美なんかの、たけし節とは正反対のこってりな役者が主演のたけし映画をいつか見てみたい。
- December 13 2010 | - Read More →


