体調が悪いのに「プレシャス」
「プレシャス」をひどい胃痛と頭痛のなか、DVDで鑑賞。とっても憂鬱な気分。ハーレムの低所得者居住区に住む超肥満体の16歳女子、プレシャス。家では母親から暴力を受け、父親にレイプされ2度目の妊娠。道では歩くだけで「デカケツ」と馬鹿にされる。一般的に、特別かわいくない主人公が頑張る成長物語は、見ているうちに応援したくなり、しまいには、かわいらしく思えてくるものだが、この映画に関しては、そういう共感を拒否しているようだ。ちょいちょい挿入される、プレシャスの“もし私がスターだったら…”という幻想シークエンスは、制作側が彼女をなんとなく笑い者にしているようで、余計な感じがしたのも入り込めなかった一因だけど、制作側にしても、まさか共感してほしいと思ってあんな悲惨な話を作ってはいなかろう。あの、お母さんも…すごい表情に花柄の全身タイツに、脇毛に…ある意味恐れ入る。
とにかく始終暗い気持ちで見ていたが、唯一、微笑ましかったは、子供を産んだ後のプレシャスをフリースクールの仲間が見舞うところだった。レニー・クラヴィッツ演じるちょっとハンサムな看護士をからかいながら、みんながケタケタ声を上げる様子は、とても臨場感があって、説明くさくない友情が感じられてよかった。
ニューヨークに来たばかりの頃、地下鉄で、私と友人がチョコレートを食べていると、隣にいた巨漢の黒人娘が、急にずいっと手を出してきて「Gimme that (ちょーだい)」と横柄に言うので、唖然としたまま、チョコレートをあげてしまった思い出がある。Thank youとも何も言われなかった。あの子も「プレシャス」だったんだろうか…。
- December 30 2010 | - Read More →


