Cluny Brown (1946)   Dir. Ernst Lubitsch 
小間使い エルンスト・ルビッチ監督 
ルビッチの映画を見たいなあ、とふと思っていたら、ちょうどフィルム・フォーラムで「小間使い」がニュープリントで上映されていた!数日前の大雪の名残で、ぬかるんだ雪解け道にもめげず、水たまりをジャンプしながら映画館へむかった。
可憐でちょっとオバカな主役のジェニファー・ジョーンズに、胸きゅんしてしまう男性はさぞ多かろう。メイドの衣装まで着てくれるし。親を知らず、水道管修理人のおじさんに育てられた彼女は、つまった水道パイプを見ると、トンカチで叩いて、直さずにいられないという、すっとんきょうな「性癖」を持っている。叩かれたパイプは、それが正しい修理法でもないのに、どっくどっくと音をたてて、すっきり流れて行く。この彼女の「性癖」は、もちろん性的な意味合いにつながっており、ジョーンズがくったくなく「アタシ、パイプをバンバン打つのが好きなの」と言ったら、満員の映画館の場内が大爆笑に包まれていた。日本の映画館では、くすっていう程度のウケかと思うが、アメリカ人は下ネタ大好きらしい。だからルビッチ映画はとても人気が高いようだ。なんだが、洗練されたタッチで有名なルビッチを、まるで下ネタ王みたいに扱ってしまったけど、このバンバン娘をいかにも金髪セクシー系でなく、子鹿ちゃんのような細身のジョーンズに演じさせ、胸の谷間なんて見せず、彼女の愛嬌ある表情と軽やかな体の動きでエロさを匂わすのは、洗練の技あってこそだ。
ジョーンズに恋するチェコから亡命してきた作家のシャルル・ボワイエも怪しくノリが軽くて面白いのだが、物語中盤から大活躍のジョーンズが恋する中流階級の薬屋ウィルソン氏がかなりのキャラクターだ。眼鏡の顔長でおちょぼ口。鼻もちならない声で自慢ばかりするわりに間抜けで、絶対こいつとは、ひっつかないだろうな、とすぐにわかるから、恋の行方にハラハラすることはなく、心置きなく笑いに専念できる。ジョーンズを家に招いたウィルソン氏が、最初に彼女に説明するのが、壁に掛けられた絵画で、それが不毛の地にぽつねんといる一匹の羊の絵というのも、かなりシュールでおかしく、そこからは、かみあわない二人のやりとりは爆笑の連続だった。私は、ルビッチには、畳み掛けるような笑いはないと記憶していたが、この映画は、どんなシーンにも常にひねりのあるギャグが隠されていたし、まぎれも無いスクリューボールコメディ!年末に、いい笑いをくれる映画を見ることができて嬉しい。
あと、「悪魔の往く町」で金に目のない心理カウンセラーを演じていて格好のよかった、ヘレン・ウォーカーが出演していた。やっぱりあのツンデレ感ええわあ!

Cluny Brown (1946)   Dir. Ernst Lubitsch 

小間使い エルンスト・ルビッチ監督

ルビッチの映画を見たいなあ、とふと思っていたら、ちょうどフィルム・フォーラムで「小間使い」がニュープリントで上映されていた!数日前の大雪の名残で、ぬかるんだ雪解け道にもめげず、水たまりをジャンプしながら映画館へむかった。

可憐でちょっとオバカな主役のジェニファー・ジョーンズに、胸きゅんしてしまう男性はさぞ多かろう。メイドの衣装まで着てくれるし。親を知らず、水道管修理人のおじさんに育てられた彼女は、つまった水道パイプを見ると、トンカチで叩いて、直さずにいられないという、すっとんきょうな「性癖」を持っている。叩かれたパイプは、それが正しい修理法でもないのに、どっくどっくと音をたてて、すっきり流れて行く。この彼女の「性癖」は、もちろん性的な意味合いにつながっており、ジョーンズがくったくなく「アタシ、パイプをバンバン打つのが好きなの」と言ったら、満員の映画館の場内が大爆笑に包まれていた。日本の映画館では、くすっていう程度のウケかと思うが、アメリカ人は下ネタ大好きらしい。だからルビッチ映画はとても人気が高いようだ。なんだが、洗練されたタッチで有名なルビッチを、まるで下ネタ王みたいに扱ってしまったけど、このバンバン娘をいかにも金髪セクシー系でなく、子鹿ちゃんのような細身のジョーンズに演じさせ、胸の谷間なんて見せず、彼女の愛嬌ある表情と軽やかな体の動きでエロさを匂わすのは、洗練の技あってこそだ。

ジョーンズに恋するチェコから亡命してきた作家のシャルル・ボワイエも怪しくノリが軽くて面白いのだが、物語中盤から大活躍のジョーンズが恋する中流階級の薬屋ウィルソン氏がかなりのキャラクターだ。眼鏡の顔長でおちょぼ口。鼻もちならない声で自慢ばかりするわりに間抜けで、絶対こいつとは、ひっつかないだろうな、とすぐにわかるから、恋の行方にハラハラすることはなく、心置きなく笑いに専念できる。ジョーンズを家に招いたウィルソン氏が、最初に彼女に説明するのが、壁に掛けられた絵画で、それが不毛の地にぽつねんといる一匹の羊の絵というのも、かなりシュールでおかしく、そこからは、かみあわない二人のやりとりは爆笑の連続だった。私は、ルビッチには、畳み掛けるような笑いはないと記憶していたが、この映画は、どんなシーンにも常にひねりのあるギャグが隠されていたし、まぎれも無いスクリューボールコメディ!年末に、いい笑いをくれる映画を見ることができて嬉しい。

あと、「悪魔の往く町」で金に目のない心理カウンセラーを演じていて格好のよかった、ヘレン・ウォーカーが出演していた。やっぱりあのツンデレ感ええわあ!