The Fighter (2010)   Dir. David O. Russell
また熱いボクシング映画が!!つくづく、ボクシングと映画って魔法のマッチングだと感心してしまう。他のスポーツよりも、ドラマが濃密に思えるのは、主人公のボクサーとその周囲にいる人との絆を強く感じるからだ。ボクシングは、一見孤独なスポーツのように見えて、実はトレーナー、恋人、家族などとの強い絆があってこそ成り立つ。その絆を、一つの試合、一つのパンチで映像として表現できるのがボクシング映画の美しさだ。
主役のミッキー・ウォードを演じた筋肉もりもりマーク・ウォルバーグもはまっていたが、なにより存在感があったのは、母を演じたメリッサ・レオ(こんないい女優を知らなかったなんて!)とミッキーの兄、ディッキーを演じたクリスチャン・ベールだ。
ミッキーの母は、気違いじみた家族愛に固執して、いっさい他人の意見を聞かない。だからミッキーは、ボクサーとして才能があるというのに、マネージメントは口やかましいだけの母、トレーナーはドラッグ浸けの兄貴のディッキーだから、いっこうにいい試合を組めないでいる。見ているこっちは、最初この馬鹿母と兄にむかついているのだが、徐々に、この二人は、こんなとんちんかんな方法でしか愛情を表現できない人たちなのだ、と許す心がでてくると、なんだかとても痛々しい気持ちになって、応援したくなってしまう。
例えばこんなシーン。とことんダメな長男ディッキーに失望して泣いている母に、そのディッキーが急に「ごめんね」の代わりなのか歌を歌い始める。母は泣くのをやめ、しまいにはディッキーと一緒に歌い始めてしまう。かなり滑稽だが、母親の思い出の曲だったのだろうか、と思うとやるせない二人に愛を感じる。
刑務所に入ったディッキーは、弟ミッキーの大試合をテレビで見る事ができない。母親は刑務所に電話し、試合を懸命に実況中継してやる。電話で母の声を聞きながら、ディッキーは、遠いリングにいる弟に激を飛ばす。「ボディ、ヘッド、ボディ!」。そして、リングで戦う弟にその声がふと届いたような…。涙なくしては、見られないシーン。
ミッキーの彼女、エイミー・アダムスも、もと高飛びの選手で、現飲み屋のねえちゃんという、場末感ただよう役柄を、うまい具合に崩れて演じていてよかった。役者ががっちり演技しながらも、リアルな息苦しさがちゃんと漂う珍しい、いい映画だ。
ところで、AFI(アメリカ映画協会)が選んだスポーツ映画の1位は「レイジング・ブル」2位は「ロッキー」となんとボクシング映画が上位を占めている。アメリカで人気の高いスポーツは、野球、バスケ、アメフトと考えると、少し驚く。やはり、ボクシング映画で、面白くないものはない…と思えるほど、いい映画が多い。究極の師弟愛「ミリオンダラーベイビー」、「シンデレラマン」も悪くなかった。日本では「どついたるねん」はめちゃくちゃかっこええし、最近の「ボックス!」も真摯なつくりで気持ちよかった。「あしたのジョー」は見てないけども。

The Fighter (2010)   Dir. David O. Russell

また熱いボクシング映画が!!つくづく、ボクシングと映画って魔法のマッチングだと感心してしまう。他のスポーツよりも、ドラマが濃密に思えるのは、主人公のボクサーとその周囲にいる人との絆を強く感じるからだ。ボクシングは、一見孤独なスポーツのように見えて、実はトレーナー、恋人、家族などとの強い絆があってこそ成り立つ。その絆を、一つの試合、一つのパンチで映像として表現できるのがボクシング映画の美しさだ。

主役のミッキー・ウォードを演じた筋肉もりもりマーク・ウォルバーグもはまっていたが、なにより存在感があったのは、母を演じたメリッサ・レオ(こんないい女優を知らなかったなんて!)とミッキーの兄、ディッキーを演じたクリスチャン・ベールだ。

ミッキーの母は、気違いじみた家族愛に固執して、いっさい他人の意見を聞かない。だからミッキーは、ボクサーとして才能があるというのに、マネージメントは口やかましいだけの母、トレーナーはドラッグ浸けの兄貴のディッキーだから、いっこうにいい試合を組めないでいる。見ているこっちは、最初この馬鹿母と兄にむかついているのだが、徐々に、この二人は、こんなとんちんかんな方法でしか愛情を表現できない人たちなのだ、と許す心がでてくると、なんだかとても痛々しい気持ちになって、応援したくなってしまう。

例えばこんなシーン。とことんダメな長男ディッキーに失望して泣いている母に、そのディッキーが急に「ごめんね」の代わりなのか歌を歌い始める。母は泣くのをやめ、しまいにはディッキーと一緒に歌い始めてしまう。かなり滑稽だが、母親の思い出の曲だったのだろうか、と思うとやるせない二人に愛を感じる。

刑務所に入ったディッキーは、弟ミッキーの大試合をテレビで見る事ができない。母親は刑務所に電話し、試合を懸命に実況中継してやる。電話で母の声を聞きながら、ディッキーは、遠いリングにいる弟に激を飛ばす。「ボディ、ヘッド、ボディ!」。そして、リングで戦う弟にその声がふと届いたような…。涙なくしては、見られないシーン。

ミッキーの彼女、エイミー・アダムスも、もと高飛びの選手で、現飲み屋のねえちゃんという、場末感ただよう役柄を、うまい具合に崩れて演じていてよかった。役者ががっちり演技しながらも、リアルな息苦しさがちゃんと漂う珍しい、いい映画だ。

ところで、AFI(アメリカ映画協会)が選んだスポーツ映画の1位は「レイジング・ブル」2位は「ロッキー」となんとボクシング映画が上位を占めている。アメリカで人気の高いスポーツは、野球、バスケ、アメフトと考えると、少し驚く。やはり、ボクシング映画で、面白くないものはない…と思えるほど、いい映画が多い。究極の師弟愛「ミリオンダラーベイビー」、「シンデレラマン」も悪くなかった。日本では「どついたるねん」はめちゃくちゃかっこええし、最近の「ボックス!」も真摯なつくりで気持ちよかった。「あしたのジョー」は見てないけども。