Midnight in Paris (2011)  Dir. Woody Allen

まさかウディ・アレンの映画に胸キュンしてしまうとは!!

大爆笑の連続のあと、ラストにむけて、ちょっと泣きそうな瞬間もあり…。 素直にすごく良かった。少し前に見た「それでも恋するバルセロナ」があまりにもどうでもいい感じだったので、この「ミッドナイト・イン・パリ」も見に行くのをためらったが、ご近所の映画館BAMでは「Before 3pm」まで8ドルのマチネー料金。ならばエエか、と、劇場に着いたものの結局、正規の13ドル払わされた。上映時間が3pmだったのだが「Before 3」に「3」は含まれないということを今更ながら知る。もしかしたら中学英語の常識?

今作、オーウェン・ウィルソンが主演か、ふうん。と意外に思ったけど、見ていたらやはり、ちゃんとウディそっくりに仕上がっていて、ある意味お見事だった。とはいえ私は「ズーランダー」「You, Me and Dupree」の2本ぐらいしかウィルソン氏を知らず、今までは、周囲はまっとうで、彼が異端者で壊し屋、というコメディキャラクターのイメージを持っていた。とこ ろがこの映画では、彼がいつも周囲に対して違和感を抱き、うろたえる役目を与えられている。彼の口をすぼめて「状況をうまく飲み込めない」顔をするのが、たまらなくおかしい。

物語はとんとん拍子にウイルソン演じる作家のギルが、訪れたパリで憧れの1920年代のアートの社交界に迷い込んでいく様子を見せる。ウディ・アレンのコメディで時折感じるのは、スクリューボールを意識しすぎて、とんとん拍子感を無理にだしたが故に、ひっかかりないまま終わってしまうこと。内容は面白い漫才なのに、笑い待ちのできないツッコミのせいで、笑うタイミングを逃してる感じか。でも「ミッドナイト・イン・パリ」では、優雅なパリの雰囲気を残しつつ、まどろっこしい説明は省き、どんどん事が進んでいくのが気持ちよかった。

すべての話を「戦い」に例えなくては気が済まない男ヘミングウェイや、とりあえず「俺、ダリやで!」と叫ぶシュルレアリストのダリ、 ピカソやモディリアーニのミューズ的存在の女やらと、次々と現れ、いかにもその人が言いそうな言葉が氾濫してくる。ステレオタイプな幻想にどっぷりはまって笑ったあと、ラストにかけて、その幻想が崩れて行くところも、決して大げさではないが、胸が少し痛くなる感じで、しみじみよかった。劇場が満員でなければ、泣いてしまったかもしなれない。