Brighter Summer Day (1991)   Dir. Edward Yang
When I made my first independent movie in Japan, I was told “Yours is bit like Edward Yang”. At the time I became aware of auteurism but I had never seen Taiwanese movies and never heard of Yang’s name. I rushed to a rental video shop and watched his Terrorizers. I fell in love immediately. Mr.Yang was my first love toward an auteur film.      
In the US, we don’t see any of his DVD but Yi Yi. People have been rediscovering Yang’s film and that’s why one day screening of Brighter Summer Day at BAM was so packed. World Cinema Foundation Founded by Martin Scorsese restored this movie and made the screening possible. Thanks, Martin!   
原題、邦題「牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件」だが、見直して気づいたのは、Brighter Summer Day というのも、ちゃんと劇中にタイトルとして表記されるので、こちらも原題だった。エドワード・ヤンはアメリカでも知名度は高いものの、なぜかほとんどの映画がDVD化されていない。だからかBAMでの一日だけの上映会もほぼ満席。マーティン・スコセッシが創設した World Cinema Foundationによって、修復された完全版で見る事ができた。このWCFは、映画産業からは見捨てられているが、スコセッシが保存すべきと考えた映画をよい状態で残していこうという非営利団体だ。スコセッシありがとう!
10年ほど前、映画監督になりたい、と思ってから最初に尊敬すべき監督として意識したのがエドワード・ヤンだった。当時、全然映画の知識もない私は、自主映画制作の先輩たちに助けられて一作目の長編をなんとか完成したが、自分では「なんかだらだらしたカット割りの少ない映画になってしまったなあ」と落ち込んでいた。ところが、映画を誉めてくれた人もいて、そのうちの一人が「エドワード・ヤン、好きなんですか?」と聞いてきたのだ。ヤン?誰?と思い、あわてて「恐怖分子」「恋愛時代」をレンタルして見た。自分がぼんやり想像していたことを、すっかりやってのけているのに愕然として、うちひしがれてしまったのを覚えている。そこから私はヤンさんとは違う方向に行かなきゃ、と喜劇やらミュージカルを見まくった。
いま書いているのは、映画の感想でもなくて、他人にとってはどーでもいい話だけど、私にはヤンさんには、かなわなかった初恋のような複雑な思いがあるのだ。若くして他界したヤンさんの映画は少ないが「牯嶺街少年殺人事件」だけは、なぜかタイミングを逃し続け、見ないままでいた。初恋から何年も経ち、ようやくニューヨークで見る事になった。なかなか感慨深い。
日本では、有名な評論家の先生たちが、分析しつくしているはずなので、私など別段言うことはないような気もして来た。感じたのは、大人になって初恋の人と冷静に対峙してみたが、ヤンさんが天才でなくたいへんな勉強家なのだとわかり、ちょっとほっとした。努力し続ければ手の届く人かもしれない、と思ったほうが励みになるので、そう思い込むことにしよう。

Brighter Summer Day (1991)   Dir. Edward Yang

When I made my first independent movie in Japan, I was told “Yours is bit like Edward Yang”. At the time I became aware of auteurism but I had never seen Taiwanese movies and never heard of Yang’s name. I rushed to a rental video shop and watched his Terrorizers. I fell in love immediately. Mr.Yang was my first love toward an auteur film.      

In the US, we don’t see any of his DVD but Yi Yi. People have been rediscovering Yang’s film and that’s why one day screening of Brighter Summer Day at BAM was so packed. World Cinema Foundation Founded by Martin Scorsese restored this movie and made the screening possible. Thanks, Martin!   

原題、邦題「牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件」だが、見直して気づいたのは、Brighter Summer Day というのも、ちゃんと劇中にタイトルとして表記されるので、こちらも原題だった。エドワード・ヤンはアメリカでも知名度は高いものの、なぜかほとんどの映画がDVD化されていない。だからかBAMでの一日だけの上映会もほぼ満席。マーティン・スコセッシが創設した World Cinema Foundationによって、修復された完全版で見る事ができた。このWCFは、映画産業からは見捨てられているが、スコセッシが保存すべきと考えた映画をよい状態で残していこうという非営利団体だ。スコセッシありがとう!

10年ほど前、映画監督になりたい、と思ってから最初に尊敬すべき監督として意識したのがエドワード・ヤンだった。当時、全然映画の知識もない私は、自主映画制作の先輩たちに助けられて一作目の長編をなんとか完成したが、自分では「なんかだらだらしたカット割りの少ない映画になってしまったなあ」と落ち込んでいた。ところが、映画を誉めてくれた人もいて、そのうちの一人が「エドワード・ヤン、好きなんですか?」と聞いてきたのだ。ヤン?誰?と思い、あわてて「恐怖分子」「恋愛時代」をレンタルして見た。自分がぼんやり想像していたことを、すっかりやってのけているのに愕然として、うちひしがれてしまったのを覚えている。そこから私はヤンさんとは違う方向に行かなきゃ、と喜劇やらミュージカルを見まくった。

いま書いているのは、映画の感想でもなくて、他人にとってはどーでもいい話だけど、私にはヤンさんには、かなわなかった初恋のような複雑な思いがあるのだ。若くして他界したヤンさんの映画は少ないが「牯嶺街少年殺人事件」だけは、なぜかタイミングを逃し続け、見ないままでいた。初恋から何年も経ち、ようやくニューヨークで見る事になった。なかなか感慨深い。

日本では、有名な評論家の先生たちが、分析しつくしているはずなので、私など別段言うことはないような気もして来た。感じたのは、大人になって初恋の人と冷静に対峙してみたが、ヤンさんが天才でなくたいへんな勉強家なのだとわかり、ちょっとほっとした。努力し続ければ手の届く人かもしれない、と思ったほうが励みになるので、そう思い込むことにしよう。