Lilith (1964)   Dir. Robert Rossen
DVDにて。「ハスラー」をつい最近初めて見て、ロバート・ロッセンという監督を、今まで横目でしか見ていなかったことに気づきこちらの「リリス」もレンタルしてみた。このDVD、アメリカ版で日本とはリージョンコードも違うのに何故か日本語字幕付き。日本で人気だからアメリカに逆輸入されてきたのだろうか?ジーン・セバーグは、確かにアメリカより日本でのほうが人気が高いかも。それに、この映画のウォーレン・ビーティーは、常にモジモジして伏し目がちで日本人が共感を得やすいキャラクターともいえる。
ビーティー演じるヴィンセントは、朝鮮戦争の兵役を終えて地元に戻ると、精神病院で作業療法士の見習いとして働き始める。ようやくやりがいのある仕事に出会えたと思ったら、統合失調症の患者リリスに誘惑され恋に落ちる。
ヴィンセントは“誘惑”でなく“彼女の摩訶不思議な世界に誘われる”と表現しているように、彼女は、毒草やも知れぬ草を食いちぎり、自分だけにわかる言語を編み出し、水面に写る自分に口づけるなどなどナルシストぶりを発揮するが、妙な可憐さをでヴィンセントを虜にしてしまう。この映画を嫌う人の評を読むと、実際の精神病院の様子とずいぶん違う、だとか、精神病患者に変な幻想を抱いている、との意見が多い。確かにこの映画が、精神病院の現実を見つめるというテーマのもとに作られたなら駄作だけれど、生き甲斐を探す男が誇大妄想癖のある美しい女に出会い、振り回され続ける切ないラブ・ストーリーと見るとよくできた話だ。
相手が子供だろうとほしいものには、色目を使うのがリリスの怖い所。氷の破片をかじり「私はダイヤモンドを食べてるのよ」とリリス。子供「口が切れて血がでるよ!」。リリス「私の血は透明で見えないのよ。触ってごらんなさい」と薄ら笑い、子供に自分の唇を触ることをすすめる。子供は少し怯えながらゆっくりリリスの唇に手を伸ばす…。そしてリリスは、氷をくれた代金といって、子供に長ーいキスをする。それを見ていたヴィンセントは、妙な嫉妬心を感じる、というシーンだ。そのあと、彼はつい、作業療法士と患者という立場を捨てて「I love you」とリリスに告白してしまい、恋心を爆発させることになる。そもそもうまくいかない恋路だろうが、彼のアップダウンは可哀想でたまらない。(精神的に)サドの方はきっと楽しめるだろう。
ところが「ハスラー」でもそうだったが、ラストに向けて急激に失速してしまったように思う。行き場のない感情を表すのがうまい監督らしいが、オチをつけるのが下手なのか?もしくは、そこはスタジオに命令されたとか?と気になってしまった。

Lilith (1964)   Dir. Robert Rossen

DVDにて。「ハスラー」をつい最近初めて見て、ロバート・ロッセンという監督を、今まで横目でしか見ていなかったことに気づきこちらの「リリス」もレンタルしてみた。このDVD、アメリカ版で日本とはリージョンコードも違うのに何故か日本語字幕付き。日本で人気だからアメリカに逆輸入されてきたのだろうか?ジーン・セバーグは、確かにアメリカより日本でのほうが人気が高いかも。それに、この映画のウォーレン・ビーティーは、常にモジモジして伏し目がちで日本人が共感を得やすいキャラクターともいえる。

ビーティー演じるヴィンセントは、朝鮮戦争の兵役を終えて地元に戻ると、精神病院で作業療法士の見習いとして働き始める。ようやくやりがいのある仕事に出会えたと思ったら、統合失調症の患者リリスに誘惑され恋に落ちる。

ヴィンセントは“誘惑”でなく“彼女の摩訶不思議な世界に誘われる”と表現しているように、彼女は、毒草やも知れぬ草を食いちぎり、自分だけにわかる言語を編み出し、水面に写る自分に口づけるなどなどナルシストぶりを発揮するが、妙な可憐さをでヴィンセントを虜にしてしまう。この映画を嫌う人の評を読むと、実際の精神病院の様子とずいぶん違う、だとか、精神病患者に変な幻想を抱いている、との意見が多い。確かにこの映画が、精神病院の現実を見つめるというテーマのもとに作られたなら駄作だけれど、生き甲斐を探す男が誇大妄想癖のある美しい女に出会い、振り回され続ける切ないラブ・ストーリーと見るとよくできた話だ。

相手が子供だろうとほしいものには、色目を使うのがリリスの怖い所。氷の破片をかじり「私はダイヤモンドを食べてるのよ」とリリス。子供「口が切れて血がでるよ!」。リリス「私の血は透明で見えないのよ。触ってごらんなさい」と薄ら笑い、子供に自分の唇を触ることをすすめる。子供は少し怯えながらゆっくりリリスの唇に手を伸ばす…。そしてリリスは、氷をくれた代金といって、子供に長ーいキスをする。それを見ていたヴィンセントは、妙な嫉妬心を感じる、というシーンだ。そのあと、彼はつい、作業療法士と患者という立場を捨てて「I love you」とリリスに告白してしまい、恋心を爆発させることになる。そもそもうまくいかない恋路だろうが、彼のアップダウンは可哀想でたまらない。(精神的に)サドの方はきっと楽しめるだろう。

ところが「ハスラー」でもそうだったが、ラストに向けて急激に失速してしまったように思う。行き場のない感情を表すのがうまい監督らしいが、オチをつけるのが下手なのか?もしくは、そこはスタジオに命令されたとか?と気になってしまった。